早瀬真夏選手（亜細亜印刷（株））「技能五輪国際大会アブダビ大会を振り返って」

　第44回技能五輪国際大会（アブダビ）では、早瀬真夏選手（亜細亜印刷（株））は第4位（敢闘賞）とすでにご報告しました。
　早瀬さんから、アブダビ大会を振り返ってのコメントをいただきましたので、お伝えします。
（この内容は、全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会「平成30年新春大会」の講演内容などから抜粋・修正したものです）

以下コメントです。
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《技能五輪に出ようとしたきっかけ》
　高校三年生になり就職活動している時に、同じ高校の先輩が亜細亜印刷（株）に入社していて、2011年の技能五輪国際大会ロンドン大会で金メダルをとった活躍を知りました。目立ちたがり屋の自分の中で、技能五輪に出たいという気持ちが沸き起こり、強い決意の下、亜細亜印刷（株）に入社しました。入社した時は印刷のことは全く知らなかったのですが、社内研修をする中で、印刷の仕事の面白さ、奥深さを知りました。

《国際大会までの強化訓練の内容とその気持ち》
　国内では、自社での強化訓練の他に、東京、名古屋、大阪、広島、栃木、茨城、埼玉の印刷会社に伺って「社外訓練」も行いました。ハイデルベルグ本社（ドイツ）の研修会にも参加しました。
　技能五輪国際大会の本番では、使ったことがない印刷機での競技となるので、慣れていない印刷機での訓練は非常に役に立ちました。社外訓練は、訪問先の各社の方々の前で、初めて触れる印刷機を回すのですが、各社のオペレーターさん達含め、周りの多く熱心な視線の中で訓練するため、初めの頃は、焦ることもありました。
　しかし、メンタル強化の研修などを通じて、ハイプレッシャーの中でも負けないためのトレーニングも行い「自分は大丈夫」と常に自分に問いかけるようにして、ハイプレッシャーにも対応できるようになりました。

《技能五輪に参加して良かったこと、嫌だったこと》
　メンタル面が自分でも驚くほど強くなりました。訓練はとても厳しかったのですが、最初の訓練時に会っていた方々に、大会後にお会いしたら、「顔つきが変わったね」「雰囲気が変わったね」と言われたのがとても嬉しかったです。印刷技術面でも、印刷の理屈がより深く理解できるようになりました。この大会を通して、印刷の面白さを更に感じることができるようになりました。
　またアブダビ大会では、世界のいろいろな印刷技術を持つ人たちと交流することで、日本とは違う考え方で印刷をしていることを知るとともに、日本の印刷の凄さを改めて感じました。特に丁寧さ、精緻さは日本が優れていると感じました。
　参加するに当たっては、金メダルをとった先輩が自社にいることや、日の丸を背負っていくこと、日ごとに注目が集まっていくなど、プレッシャーはすごくありましたが、これらのプレッシャーのおかげで強くなれたので、最終的には良かったです。

《今後、この経験をどう生かしていくつもりか》
　メダルを取れなかったことは悔しいですが、この大会を通して得た技術力、精神力はこの先、印刷の仕事だけでは無くて、どんな場面においても自分の大きな糧になると思います。どんなに辛いこと、大変なことがあっても、大会中に辛かったことを思い出せばきっと乗り越えて行けると思います。
　技能五輪国際大会の認知度は、まだまだ全国的に低いと感じていますので、技能五輪が広く認知されるために、可能な限り協力をして、自分の経験を伝えていきたいと考えています。』

以上
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　早瀬さんは、2/16に実施した「技能五輪プレ予選会（周知イベント）」でも、次回のカザン（ロシア）大会に参加するつもりの選手候補の人たちに、同様の内容のコメントを述べています。

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