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株式会社タカヨシ
所在地:新潟県新潟市江南区亀田工業団地1丁目
代表者:代表取締役 高橋 佑
従業員数:135名(2023 年 4 月現在)
URL: https://www.takayoshi.co.jp/
水稲の作付面積、収穫量ともに日本1位の新潟県。越後国一宮に「彌彦神社」の本山や弥彦温泉で知られる弥彦村でもコシヒカリの作付けを行っているが、新潟市に比べると作付面積も収穫量も約30分の1程度という規模に止まる。収穫した特別栽培米コシヒカリ「伊彌彦米」をブランド米としてアピールし、観光の促進、また「ふるさと納税」の目玉商品にしたいという課題を持っていた弥彦村役場は、この「伊彌彦米」の価値を高めるべく、ロゴマーク、米袋パッケージ、販促ポスターのデザインコンペを行うため、参加企業を募った。これに対し、「弥彦村」そのものの魅力に注目した株式会社タカヨシは、弥彦村の著名スポットである彌彦神社の歴史を紐解き、「新潟に稲作を広めたのは彌彦の神様である」という一文を企画のコンセプトに、ロゴマークのデザイン案作成を進めた。「モノ」のデザイン提案だけではなく、より効果的な「コト」として「伊彌彦米」のアピール手段、即ち、プロモーション施策までを提案。その結果、タカヨシが提出した2案が採用となり、併せて提案していた多くの販促ツールも受注できた。新しい米袋パッケージに包まれた「伊彌彦米」はふるさと納税の返礼品として全国各地へと広がり、この「伊彌彦米」を含む弥彦村のふるさと納税額は、実に前年の3倍に増加。金額にして3億円以上の経済効果を生み出したという。
1911年にオーストリアの軍人デオドール・フォン・レルヒが日本に初めてスキーを教えたのが新潟の地。それから100年を経た2011年、当時、景気低迷とレジャーの多様化により斜陽産業となっていた新潟県のスキー関連産業を復活すべく、県主催の観光キャンペーン「日本スキー発祥100周年」展開のためのロゴマーク、スローガンのコンペが行われた。このコンペに向けてタカヨシは、新たな方向性としてキャラクターとそのキャラクターのプロモーションまでを提案した。「ゆるキャラ」に着目し、更にその「ゆるキャラ」を実際のスキー場で滑らせるという企画。ゆるキャラ「レルヒさん」は単に可愛いだけじゃなく、何か「ひっかかる」「記憶に残る」身長270cmのキャラクターで、他のどんな媒体より強力な広告塔となり、関連グッズの売上は2011年単年で7億円にのぼった。
タカヨシの代表取締役高橋 佑氏は、「私たちは、グループが持っているコンテンツ能力を高め、総合ブランディング企業としてお客様そして地域社会の発展に寄与していく」と述べている。これらはまさにその実践ではなかろうか。タカヨシの今後のビジネスモデルに要注目だ。
連載 「じゃぱにうむレビュー」 第16回
全国の印刷会社が取り組む地方創生、地域活性化に関わる事業の事例をトピックスとしてご紹介します。 第16回目は、山口県下関市に本社を置く株式会社三和印刷社の取り組みを紹介します。